Webデザイナーはコーディングもできるべきか?についてデザインできないコーダーが考える

最近Twitterで、「Webデザイナーはコーディングもできてようやくスタートライン」という意見が話題になっています。

これについては賛否両論で、今に始まったことではなく昔からずっと議論されていたことなのですが、デザインできないコーダーである僕の個人的な意見を語ろうと思います。

先に結論から言ってしまうと、

Webデザイナーはコーディングをできなくてもいいけど、ある程度知っておく必要はある

というのが僕の見解です。




Web向けのデザインになってない

今はCSS技術も発達していて、大抵の装飾であれば実現可能となってます。
それ故に、「画像は極力使わず、CSSで表現してね」という要望が増えています。

LPなんかも、昔は画像をベタベタ貼り付けるだけでよかったんです。
SEOとか関係ないですからね。

でも今は、LPもテキストがメインとなってます。

そんな時代、これはWebではなく紙媒体向けのデザインだよねみたいなのが来ると、正直困ります。

例えば、

・フォントサイズの種類が豊富すぎる
・文字詰めに異様にこだわる
・禁則処理について考えてない
・要素の配置が自由すぎる
・画面幅が変わったときのデザインが考えられていない
・コンテンツ幅がばらばら
・インデントがばらばら

などなど…

こういった項目って、コーディングができるどうのこうのよりまずWebデザインの基礎とも呼べる部分だと思うんですが、コーディングを全く知らないデザイナーはこの辺が出来ていないことが多いです。

このあたりのことがしっかりできていないと、見た目はもちろんWebでは見るに堪えない見た目になっちゃいますし、コーディングがめちゃくちゃ時間かかるし、コーディングに時間がかかるってことは単純にコーダーがしんどいだけでなく、工数的にも赤字になりますので、いいことはありません。
ちょっとの工夫でコーディングしやすいデザインにしていただくだけで、コーディングにかかる時間はかなり減ります。

「コーディングでできること、できないこと(時間がかかること)」を知っておくと、必然的にこのあたりの欠点は改善されます。

見づらい、使いづらい

「そうはいってもクライアントがそうしたいって言ってるし、コーダーががんばればいいじゃない?」

オーケー、コーダーがんばります。
例え残業続きでドロドロになり、あなたを呪いながら今後生きていくのを良しとするのであれば、いいでしょう。
仕事だから、いやいややります。

だけど、まぁちょっと待ってほしいんです。

最終的に、そのサイトを見るのは誰かと。

上司?クライアント?
デザイナー私?

いいえ、違います。
一般ユーザーです。

そして、いくらクライアントや上司、デザイナーわたしが良しとした破壊的デザインと言い張っても、一般ユーザーが見づらい、使いづらいと感じたならば、そのサイトは、「壊れ切ったゴミ」です。

コーディングがちょっとわかる状態であれば、htmlの構造をなんとなく理解し、ユーザーが見やすい、使いやすいというのがどういうことなのかが自然とわかってきます。

というか、コーディングしてると、「うわ、これ使いづらいやろなー…まぁ命令だからやるけど」という多々あるので、むしろどうなってれば使いづらいかがわかるんですよね。

僕は制作会社に勤めてたときは、コーダー兼ディレクターというような立ち位置でいましたが、デザイナーから上がってきたデザインを確認するときはまず「使いづらくないか、わかりにくくないか」を最優先に考えてます。

コーディング大変そうだなー、は、まぁあまりにもしんどそうだと相談することもありますが、基本的にはデザイナーの夢を叶えるべく努力するべきだとは思ってますので、そこはいいんです。

ユーザーのことを第一に考えて制作しましょう。

そこまではできなくていい

コーディングのプロフェッショナルと言われるほど、コーディングができるようになる必要はないかなと。

むしろ、デザイナーはデザインに集中し、コーダーはコーディングに集中したほうが、役割分担もできて効率よく高品質なWeb制作ができます。

もちろん、デザインもコーディングも一人でできたら素晴らしいんですけどね…まぁ、そこに到達するには相当な努力と経験が必要だと思います。
大抵は、どちらも微妙な中途半端なクオリティになることが多いんじゃないでしょうか。

フリーランスとかだと、たまに一人でなんでもできる方がいらっしゃいますが、僕はデザインは一切しません
得意じゃないことを仕事にしている余裕はないですからね。

ただ、デザインは仕事としてはしませんが、
デザインの本を読んだり、実際にPhotoshopでデザインをして、サイト制作までやったことはあります。

これはもちろん、デザイナーがコーディングを知っていればいいと思うのと同時に、コーダーもデザインのことを知っていればいいと思うからです。

例えば、「デザインは作ってないので、既にあるページにトンマナを合わせ作ってください」とか、「レスポンシブはお任せします」とか言われたときに、デザインの知識があるかないかでは大違いですよね。

テンプレートを使うにしても、イケてるファーストビューやUIを設計するためにはデザインの知識は不可欠です。

いろんな人のデザインを見て、実際に自分でもデザインしてみて、「デザインのパターン」のようなものを知っていたほうが良いサイトになるのは間違いないです。

いやフレームワーク使えばええやんと思うかもしれませんが、そりゃそうなんですけど、それにしてもフレームワークだけに頼っていると、どこにでもあるテンプレート的なサイトになっちゃいますよね。
もちろん、そういうサイトを時間をかけず量産してビジネスにするのも全然ありなんですけど、自分で運営するサイトはなんとなくいい感じにしたいじゃないですか。

使いやすさだけにこだわりすぎて、視覚的につまらないサイトになるのもちょっと考え者かなと思いますので。

おわり

なんかデザイナーにがんばってくださいって言ってるような記事になっちゃいましたが、僕はむしろコーダーにこそがんばってほしい

デザイナーから来たむちゃくちゃなデザインを再現するのをがんばるのではなく、デザイナーとのコミュニケーションをがんばる。育成をがんばる。

しんどいなこのデザインと思ったらデザイナーに伝えて直してもらえばいいし、もし既にクライアントに提出しちゃって直せないのなら、「こういう理由でしんどいので、次からはできればやめてほしい」というような相談をすればいいんです。

実際、僕もフリーランスという立場ですが、厳しいデザインが来たら直してほしいと普通に言いますし、逆に「どういうデザインだったらコーディングしやすいか」って相談受けることもありますよ。

自分がしんどいことをただSNSで愚痴をこぼすだけじゃ何も変わりません
それに、デザイナーだってしんどいに決まってますので。
仲良く協力して、良いWeb制作しましょうねってことで。

バイバイ!

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