ランサーズといえば、クラウドソーシングとして有名なサービス。フリーランスの人が仕事を探したり、営業、リソースの確保、マーケティングの一環として、使っている人は多いんじゃないかと思います。
僕も、フリーランスになりたてのころはランサーズでの受注がメインでしたし、今では発注者側としてちょいちょい利用しています。
「え?今はランサーズで仕事とってないの?」
はい、とってないんです。ランサーズは確かに便利なんですが、ずっとメインで使い続けるのはちょっとしんどいです。
今回は受注者/発注者両方の目線からランサーズのメリットとデメリットを考察し、どういった使い方をすればいいかを紹介したいと思います。
ランサーズのメリット
ランサーズのメリットは、
- 手軽に使える
- 利用者数が多い
- スピーディに進む
という点です。
発注する際、仕事の掲載自体は無料でできますし、応募が集まりやすくなるような有料オプションを選択したり、どういった内容を書けば応募が集まりやすくなるかも解説されているため、発注が初めての人でも手軽に募集できます。
受注の際も、利用者数が多く仕事が溢れ返ってますので、自分がやりたい内容の仕事が見つかりやすく、応募しやすいです。自分のプロフィールやポートフォリオを紹介する機能も充実していますので、自己紹介もしやすいです。
報酬支払も手数料こそ当然かかりますが、契約とか支払いの手続きをなんやかんやしなくて済みますので、お互いお手軽ですし、支払いについて揉めることも少ないです。
また、募集の手軽さも去ることながら、プロジェクトの進行までサクサク進みますので、急ぎの案件でも対応できます。
とにかく、営業せずとも簡単に仕事を募集/応募できるという点が魅力ですね。
駆け出しフリーランスにとっては、非常に助かります。僕も最初数ヶ月は仕事がなかったので、よくランサーズで案件を請けていました。
今も、「うわやばい!急に案件が溢れ返ってきた!」ってときに緊急で外注に出すのは非常に助かってます。
ランサーズのデメリット
ランサーズのデメリットは、お手軽すぎることから無法地帯と化してしまったことが全てのベースにあると思います。どういうことでしょうか。
誰でも手軽に応募/募集できるということが裏目に出て、「知識のない人」「悪い人」が大量にいるということです。
相場が異常に安い
今まで相場を気にしなかった駆け出しフリーランスとか、外注をしたことがない、または初めて制作を依頼するクライアントの皆様。聞いてください。
ランサーズでの相場は、通常の相場の約20%~30%です。
いやいや盛りすぎやろ~と思われるかもしれませんが、ガチです。しかもここから手数料引かれますんでね。
受注者側から見れば、単価が安いということは単純にそれだけでデメリットになります。自分の工数に対して相応の報酬が支払われないということなので、いつまでもランサーズをメインにするわけにはいきませんよね。まともに生きていけません。
もちろん、ちゃんとした相場の仕事もありますが、だいたい全体の2割ほどです。しかもそこには腕っぷしの強いランサーが押し寄せてきますので、競争率が高くなります。もうだいたい10倍くらい応募人数が違いますね。
僕は制作会社にいたのでだいたいの相場は把握していて、割と最初から競争率の高いまともな案件を請けてきました。案件を勝ち取るコツはこちらの記事もどうぞ
発注者側から見れば、「えっそんな安く頼めるの?ラッキー!」って思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。上でも説明しましたが、相場が尋常じゃないくらい安い案件にはまともな応募はほぼありません。
運よく、「制作会社に努めてたからスキルはあるけどフリーランスの実績はないから、とにかく実績のために安い仕事でも請けたい」という期待の新星が応募してくれることもあるかもしれませんが、ほとんどは相場を知らない素人であったり、いわゆる仕事ができない人であったりします。
まともな人が少ない
もうこれほんとあんまり言いたくないんですが、まともな人が少ないです。。
僕は受注する際にはそもそもまともな案件にしか応募しないので、まともじゃない案件に注目したことはあんまりないんですが、地雷クライアントが多いというのはよく聞きます。
発注する際は、まぁ大変です。
- 明らかにスキル不足
- スキル・経歴詐称
- 納期は平気で遅れる
- 言ったことを守らない
- そもそも募集内容を読んでない
という、なんか経験が浅いとかそういう問題じゃないレベルのランサーがゴロゴロいて、その中からまともなランサーを見つけるスキルというのが必要になってきます。
認定ランサーという制度
これが出たのを知ったとき、「やっちまったなぁ…」と思いましたよ…。
認定ランサーはどういったものかというと、あるジャンルの仕事において、収入やレスポンス、評判等を総合的に判断し、優秀な人を認定ランサーとして公式に認定するというもの。認定ランサーになった人は名前の横にバッヂがつきます。
一見「ええやん」と思われるかもしれませんが、例えば、自分の掲載した案件に認定ランサーが応募してきたら、発注になれてないユーザーは、ようわからんけど認定されるくらいだから仕事できるんやろなーくらいのノリでその人を選ぶ確率がかなり高くなりますよね?そういうことですよ。
例えば、ランサーズに登録したばかりのユーザーA君が、素晴らしい実力の持ち主であり提案もしっかりし、相場もいい感じに計算したうえで見積もりを提出したとしましょう。でも同じ案件に認定ランサーが応募してきました。認定ランサーが応募してきたってだけで、A君の提案は見向きもされない確率がぐっと高まるのです。不公平すぎますね。
そしてもう一つ問題がありまして、僕も何度か認定ランサーさんにお仕事をお任せしたことがあるんですが、「え、この人なんで認定ランサーになれたの…?」って人が失礼ですがぼちぼちいます。
認定ランサーだからといってこちらの望んだ実力の持ち主とは限りませんし、そういった人に期待の新星が可能性を奪われるのはちょっとどうかと思います。
ランサーズの使いドコロ
以上のデメリットを考慮したうえでも、やはりランサーズを使う魅力はあります。使うべきシーンで正しく使えば、すごく便利なんです。
知識のある人が使う
まったく事前知識がない状態で使うとえらい目に遭いますが、制作のイロハや相場、人選等の知識を少し持っている状態で使うととても便利です。
まともな相場であれば、ちょっと安い値段でも良いランサーが応募してきてくれますし、ランサー側も知識があれば無茶な案件を請けずに済みます。
手軽だからといってガイダンスに従ってサクサク流れてしまうより、一旦どういう風に使えばいい感じにできるのかを事前に調べて使うといいでしょう。
コーディングを頼むときも、コーディングガイドラインなんかを作って「これできそうな人だけ応募してね」ということにしておけば、自分の希望とかけ離れた人に当たってしまう確率は少なくなります。
駆け出しの修行場として使う
僕もそうでしたが、駆け出しでまだ仕事がない頃は便利です。いくら安いとはいえ収入ゼロより100万倍マシですし、何より実績が増えるというのは今後のフリーランス活動にとって重要な土台作りです。
とはいえ、ゴミみたいな値段なのにいつまでも終わらない、そして急に音信普通になるという地獄のような案件もあるらしいので、初心者はそういった地獄案件を見抜けないとしんどいかもしれないです。。。
ちょっとした作業をしてもらう
これは最近発見したんですが、明確な納期があったり、一定以上の技術が必要となる案件はリスクが高い。であれば、簡単なちょっとした作業でリスクが低いものを頼むというのはどうかということです。
これは実際成功していて、僕が初めて個人開発したサービスのフィードバックを得るのにランサーズが非常に役に立ちました。詳しくは以下の記事をどうぞ
あとは記事を書いてもらったり、データ入力してもらったり、下層ページを量産してもらったり、要は「やり方さえちゃんと教えれば、誰でもできる作業」をやってもらうことに関してはピカイチです。スピーディに結果を得ることができるでしょう。
もしくは、自社サービスの開発を手伝ってもらうとか。先方に渡す納期がある受託開発の外注とかだと、納期をぶっちされる(割とよくある)としんどいですが、自社サービスならまぁ寛容な心で納期を延長することも可能です。
おわり
ランサーズに限らず、なんでもそうなんですが、使い方次第で毒にも薬にもなるよという話でした。
若干ディスが多めの記事になってはいますが、実際僕も相当お世話になっていますので、最終的にはランサーズおすすめします。
ちなみにですが、駆け出しフリーランスでもランサーズ以外の選択肢もあります。それはエージェントサービスを呼ばれるもので、クラウドソーシングにはない「営業をしてくれる人がいる」メリットがあり、なんといっても単価が高くちゃんとした案件が多いのが魅力。レバテックフリーランスやクラウドテック
といったところが有名です。
エージェントサービスについては以下の記事でちらっと紹介していますので(営業の話の部分)、興味があれば読んでみてください。
ではでは、良いクラウドソーシング生活を!