フリーランスの時間管理術~もがき苦しみ続けないために

フリーランスは好きな時間に仕事ができるというのが最大の特徴ですが、それはメリットである一方、デメリットも多くあります。

例えば、「納期までまだ日数あるし、今日は仕事したくないから休もう」「午前はちょっと買い物とか行って、午後から仕事しよう」なんてことが可能です。誰にも怒られないですからね。

しかし、この自由さにあまりにも甘えすぎていると、「余裕があったはずなのに締め切り前にパンパンになる」「仕事以外の時間がとれない」「土日や深夜でも仕事のことで頭がいっぱいで、疲れる」という事態に陥ります。

そして、結果的に「昼夜問わずめっちゃ仕事してるはずなのにイマイチ稼げない」ということになってしまいます。なぜでしょうか。




今回は、そんなダラダラ仕事しがちなフリーランスが、時間の自由、収益の自由をコントロールすることで、メリハリをつけきっちり稼ぎ、さらに自由な時間も確保する方法を身につけるための考察です。

これはフリーランスだけでなく、会社員や経営者にも当てはまる部分はあると思います。正直、「社員がめっちゃがんばらないと売り上げが立たない」という会社はいろんな意味でしんどいと思います。

なお、昼夜問わず最大限の力を発揮でき、バリバリ稼げる人にはあまり参考にならないかもしれません。「そんな死ぬほどがんばりたくはないけど、効率よく稼ぎたい」という方は読んでみてくださいね。

本記事は以下の構成でお送りします。

  1. 時間管理ができていないとどうなるのか
  2. 時間管理をすることで得られる幸せ
  3. 時間を割り振る方法

それではいってみましょう。

時間管理ができていないとどうなるのか

時間管理ができていないと、結論、しんどいです。どうしんどいのかというと、冒頭で説明したとおり。

  1. 余裕があったはずなのに締め切り前にパンパンになる
  2. 仕事以外の時間がとれない
  3. 土日や深夜でも仕事のことで頭がいっぱい
  4. 忙しいのに稼げない

1はわかりやすいですよね。まさにダラダラ仕事してるんだろうなといった感じです。2や3も、オンとオフのメリハリがとれていない証拠です。

4の「忙しいのに稼げない」はどういうことかというと、実際のところは「メリハリなくダラダラ仕事しているせいで忙しいと勘違いしている」んですね。ずっと仕事しているように見えて、実はそんなに仕事してないんです。

未熟で仕事がないから稼げないというのはまた別の話になっちゃいますが、常に忙しく仕事してるのに稼げないというあなた。思い当たる節はないでしょうか。

そして忙しいのに稼げないのにはもう一つ理由があります。「かかる時間や優先順位を考えず、なんでも請けてしまう」という理由です。

仕事にはだいたい、「めっちゃ時間かかるのに報酬が少ない」仕事と、「楽にできるけどけっこう稼げる」仕事がでてきます。これは単純に、自分の得意とするフィールドか否かでも変わってきますが、自分がその仕事にどれだけ時間がかかるかがなるべく具体的にわかっていれば、無理なく効率のいいタスクになります。

そして、時間かかるけど報酬が少ない仕事については、余裕がないときは正直自分でやらないほうがいいです。だって、メリットないでしょ?時間が空いてて他にやることがないならがやればいいと思いますが、フリーランスも経営者である以上は、いつまでも効率の悪い仕事ばかりやってるわけにはいかないです。自分が苦手なことは、それが得意な人に手伝ってもらうか、「いや、専門外なんで…」と断るのがベター。

もし、「いや、時間管理ばっちりやけどなんか稼げてないわ…」という人は単純に単価が安すぎる可能性が高いです。以下の記事も読んでみてくださいね。

フリーランスになったばかりだと、イマイチ相場がわからずにクライアントに提示された値段でそのまま受注しがちです。 もしくは、自分がこの相...



時間管理をすることで得られる幸せ

「時間管理ができていないとどうなるのか」の内容のただ逆を書くだけなんですが、しっかりと時間管理をすることで、以下の幸せが待っています。

  • 仕事以外の自由な時間が増える。
  • 趣味ができる。
  • 遊びに行ける。
  • 飲みに行ける。
  • 疲れない。健康になる。
  • ストレスフリー。
  • 事業が成長して更に稼げるようになる。

最後だけ何か胡散臭くなっちゃいましたが、事実です。どういうことかというと、「時間管理をし、下請け制作案件と自主制作、経営を分けることで、不労所得が増える。及び事業が成長していく」ということですね。

詳しいことは以下の記事を読んでみてください。

受託制作のお仕事は安定し、最低限の生活費と、思い立った日に日帰り旅行に行けるくらいの贅沢ができる程度には稼げるようになった今日このごろ。 ...

時間を割り振る方法

上記問題点を踏まえ、具体的にどうやって時間管理をしていくのかを考えます。

基本は、「メリハリをつけ、効率的に」です。僕は以下のような順序で時間を割り振ります。

  1. 月収の目安をつける
  2. 1日にどれくらい働けば達成できるか計算する
  3. 時間オーバーはしてもいいけど、「残業」と考える
  4. 「自分でやるべきこと」と「人に任せるべきこと(もしくはそもそも請けないこと)」を決める
  5. 「仕事時間外でもやっていい作業」を決める

月収の目安をつける

まずはここからです。最低限、活動に必要な収入を確保するため、そして余計な仕事をしないために月にいくら稼げばいいかを決めます。

そしてここで大事なのは、ここでいう月収はすなわち「作業をして得られる報酬」のことです。Webサービスやブログからの所謂「不労所得」や、イベントや講座を開いて自主的に得られる収益は含みません。

例えば月40万あれば十分やっていけるとして、40万円分は労働対価で報酬をもらう。そしてさらに稼ぎたいと思ったら、不労所得を得るための方法を考えたほうが効率的です。目標金額を達成したあとは、余裕があれば別案件を請けてもいいし、スケジュールを調整して来月にまわしてもいいし(僕はこれが一番好きです。来月の売り上げも立つので。)、外注にまわしてしまってもいいでしょう。とにかく、必要以上に無理をしないことが時間管理におけるポイントです。

1日にどれくらい働けば達成できるか計算する

月40万円ほしくて、だいたい月平均22日働くとすると、1日に稼ぐ金額は

40万÷22≒1.8万円

月によって稼働日数は違うので、もう少しざっくりいってもいいでしょう。1日2万円でいきましょう(例えばですよ!)。

1人日を4万円とするなら、理論的には1日に4時間働けばオッケーです。

そして、1日8時間働くぞ!と決めているなら、残りの4時間を経理なり経営なり自主開発なりに使えばいいです。もちろん、思ったよりきつくて4時間じゃ納期に間に合いそうにない…という場合はがんばりましょう。納期が最優先ですからね。

逆に計算通りスケジュール組んだけど目標金額に達成しない…という場合ももちろん出てきます。その場合は、だいたい「そもそも今月は仕事が少ない」か「効率が悪くて、思ったより仕事ができてない」事が多いです。

前者の場合は仕方ないので、不足している分はがんばってお仕事ゲットしましょう。後者の場合は自覚するのが難しいので、Togglなどの時間管理アプリを利用し、自分がどんな作業にどれだけ時間がかかっているかを把握しましょう。

また、絶対にやらなきゃいけないけど時間のかかるタスク、例えば経理なんかは、税理士に任せるなりWebサービスを使うなりして効率化しましょう。

経理とか自分でやってたらめっちゃ時間かからないですか?僕はfreee使ってるんですが、毎月10分~20分くらいの作業でまとめられますし、確定申告もe-taxで一瞬で終わります。確定申告前、twitterとかにフリーランスゾンビが徘徊してるのでいつも震えてます

時間オーバーはしてもいいけど、「残業」と考える

最近は、「残業は悪」という考えがだいぶ一般化してきましたね。僕も賛成です。

4時間どころか8時間がんばってもこのままじゃ納期に間に合わない!というパターンは、特にIT業界ではやっぱり出ちゃうんですよね。そもそもスケジュールの取り方が下手な場合はもちろん改善していけばいいんですが、余裕を持ってスケジュール組んでても発生することがあります。

そんなときは、「いやー1日8時間しか働けないので間に合いませんでしたよー」なんて言ったら殴られるのでがんばるしかないんですが、その分は残業だととらえ、以後、改善していきましょう。残業を減らすコツは、よくわからない要件は「まぁ適当にやってればできるやろ」で請けるのではなく、どれくらい時間がかかりそうかしっかり予測をたて、余裕をもって見積り、スケジュールを組むことです。

「自分でやるべきこと」と「人に任せるべきこと(もしくはそもそも請けないこと)」を決める

先ほどの残業を減らすコツとも関係がありますが、そもそも全然わからない、もしくは良い品質の納品ができそうにない場合は、できる人に任せるか、できませんとはっきり言うことが肝心です。

これは時間管理云々というよりフリーランスとして根本的に大事なことなんですが、できないこと・やりたくないことを無理に引き受けてもいいことはありません。できなかったら信用されなくなるだけですからね。しかも時間がかかって稼げない。いいことなし。

ただし、新しいことに挑戦したいという場合は別です。例えば、「Web制作をメインにしてるけどこれからはコンサルもやっていきたい!」というのであれば、がんばってコンサルを学び、トライしてみればオッケーです。

「仕事時間外でもやっていい作業」を決める

とはいえ、「一日8時間しか仕事のことについて考えない」というのは無理です。絶対に時間が足りませんし、柔軟さもときには必要です。でもメリハリも必要。困った。

というわけでここは、「仕事時間外でもやっていい作業」を決めることにしました。

僕が時間外でもやっていいと決めたことのは、以下の3つ。

勉強(インプット)

本を読んだり、ネットで情報収集したりする時間です。インプットしたことはメモをとるなりブックマークをするなりして、後述の「アウトプット」と繋げます。インプットとアウトプットを一気にするのもいいんですが、僕の場合はインプットしてからアウトプットするまでの時間は空いていたほうが考えがまとまりやすいです。

ブログ作成(アウトプット)

仕入れた情報や勉強した内容を、「自分にも読者にもわかりやすく」まとめます。ちなみにですが、この作業はインプットしたその日のうちにやっといたほうがいいです。頭の中に情報がごちゃごちゃしてると寝られなくなるので…

アウトプット方法は、ブログじゃなくてもEvernoteとかなんでもいいと思いますが、僕は「他の人にも見てほしいもの」についてはブログに書くことにしてます。なぜならブログに書いてあることこそがフリーランスの個性であり、強みになるからです。コーポレートサイトみたいなものですね。

見積り作成

クライアントに提出する見積もりは、作業時間内に焦ってやるよりも、落ち着いているときのほうが絶対いいです。

フリーランスにとって、見積りは自分の人生を左右するものです。そこに書いてある数字だけで人生が決まるんですよ。怖くないですか。もちろん見積もりの際はスケジュールも一緒に考えます。そんな重要な書類を片手間に作るわけにはいきません。

僕は、見積もりをお願いされたときは必ず翌日までは待ってもらうことにしています。どうしても今日中にほしいといわれた場合は、「あくまで概算なので変わる可能性が高いですよ!」ということを入念に伝えています。

おわり

ここまで、時間管理の方法について一例を紹介しました。もちろんこの通りにならないことは多いですが、なるべく臨機応変になるよう考えたつもりです。

私はこんな方法でやってます!というのがあれば、教えていただけるとありがたいです。

現在、時間管理についてより深く勉強中です。こちらの記事も参考にどうぞ

気がつけば山のように積もったタスク。あれもやらないとこれもやらないと…あーまたなんかチャットきたし!もう全然終わらない!! 大変ですよ...

それじゃ、ばいばい〜!

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