フリーランスの生存戦略 ~僕たちは受託以外に何ができるのか~

フリーランスになりたての時期は、今までの人脈を活かし案件を紹介してもらうか、ランサーズなどのクラウドソーシングで案件を安価で請け負い、気に入っていただいたクライアントと直接取引を継続し、受託制作を行って日銭を稼ぐパターンが多いんじゃないかと思います。

僕も現状、そんな感じです。

でも、いつまでもそれでいいんでしょうか。いや、よくない。まず、しんどい。受託だけで生きるのはしんどい。第一、受託が嫌だから会社を辞めフリーランスになったんじゃないのか。これじゃ会社員時代と変わらない。ただ会社に所属してないだけのリモートワークじゃないかと思うわけです。

そんな、おそらく駆け出しのフリーランスの多くが悩みがちな問題。今回はそれをどう解決していけばいいのか考えたいと思います。少しでもみなさんの今後の指標になれば光栄です。
フリーランスじゃなくても、これから起業しようと考えてる人にも当てはまることがあると思います。

フリーランスが受託制作以外でお金を稼ぐ方法は、以下のようなことだと思います。

  • ブログを書く
  • 営業してもらう
  • Webサービス・アプリを作る
  • 何かを作って売る
  • スキルをパッケージ化して売る

それでは順に見ていきましょう。




ブログを書く


フリーランスはブログを書くことで、以下のようなメリットを得られます。

  • Adsenseやアフィリエイトによる広告収入
  • 自分の宣伝(セルフブランディング)
  • 集客
  • 技術のインプット、アウトプットによる技術向上
  • ブログサイトを作るということ自体での技術向上

Adsenseやアフィリエイトによる広告収入

これは単純なもので、ブログ内に貼っている広告や、書籍の紹介などによる紹介料で収入を得る方法です。

ところが、やってみるとわかりますが、これは相当ガチでやらないと収益にはならないです。片手間にやっていたのでは難しいでしょう。

ブログでアクセスを集めて本気で稼ごうと思うと、SEO、マーケティング、SNSでの集客、継続、良質なコンテンツの生産、そしてあんまり表だっては言えないあんなことやこんなことをする必要があります。

おそらく月1万~2万程度であれば、好きなことを書いてアクセスを集めれば達成できると思いますが、収益と言えるほどの収入を得るためには普通に事業を行うくらいの努力は必要だと思います。

というか、ブログで稼ぐというのは立派な事業です。楽にできるものではありません。そこを勘違いしないようにしましょう

宣伝(セルフブランディング)と集客

フリーランスの場合、こちらのほうがブログを書くメリットが大きいといえるかもしれません。

フリーランスは、自分自身が商品です。ブログに自分の技術や思考、人となり、そして熱い思いを書き綴ることによって、それを読んだ人が「この人いけるんちゃう?頼んでみよ!」と思うことになれば、もはや勝ちです。

このとき大事なのは、誰に向けて記事を書くかということです。例えばブログで集客して仕事を請けることが目的なのに、いつまでもフリーランスだけにターゲット絞ってたらダメですよね。集客したい相手の役に立つような記事を書かなければいけません。

セルフブランディングも事業において正当な戦術の一つとも言えますので、やるなら本気で勉強する必要があります。

技術のインプット、アウトプットによる技術向上

自分の持っている技術を、読者にわかりやすく伝える。しかも間違えていたら恥ずかしいので、実際に詳しく調べたり動作確認をしたりして、技術をより深く知ることができるようになると思います。

僕も実際、技術ブログを書くようになり、本を読んだりWordPress Codexを見て仕様を確認することが多くなり、「マジか、そういうことだったんか」と追加で知識を得ることが増えました。

技術だけでなく、経営についても同じことが言えます。

ブログサイトを作るということ自体での技術向上

ブログサイトも立派な「Webサイト制作」です。

テーマそのままでは物足りないときは、カスタマイズを行ってみたり、ユーザーが使いやすい、見やすいサイトにするにはどうしたらいいかを追求したり、逆にエンジニアであれば「テーマを全くカスタマイズせず、プラグインだけでどこまでやれるか試してみる」というのもおもしろそうですよね。

気力があればデザインから完全オリジナルテーマを作ってもいいですね。僕は仕事でテーマを作りまくってるので、自分のブログサイトぐらい楽をしたいと思ってほとんど素のままテーマを使っているんですが…それじゃダメですね。がんばって作ってみます。

また、ライターであれば記事を書くことでスキルが上がりますし、マーケターであれば、ブログのアクセスを増やし収益を得ることでそれが実績となります。

フリーランスがブログを書くことは必須です。



営業する


受託が嫌なら仕事を取りに行ったろうやないかい!というパターンです。

受託であれば大抵はクライアントの提示した納期、予算ありきになってしまいますが、自分で営業すれば好きな値段、スケジュールを組めますね。

ただ、これも営業のスキルがないとできませんし、セルフブランディングができていないと自分ひとりでやるのは正直厳しいと思います。

営業が苦手だからエンジニアやってるという人も多いはずです。僕もです。

それじゃあどうするのか。助けてもらうんです

エージェントサービスを利用する

レバテックフリーランスクラウドテックなど、営業を行ってくれるエージェントサービスを利用する方法です。

ランサーズとかのクラウドソーシングだと、「クライアントも勝手に案件出して、ランサーも勝手に応募して勝手にやってね。あ、仲介料はもらっとくね」という感じでみんなが勝手にやってるので悪い意味で無法地帯なんですが、エージェントサービスだと自分に営業担当者がつき、スキルに合わせ案件を紹介してくれるといったイメージです。

しかも1案件の報酬がめっちゃ高いので、スキルがあれば食っていくに困らないほどの仕事をもらえます。こちらは、ちゃんと知識がある人がメインで動いていますので、クラウドソーシングに比べていろいろとダメージを受ける可能性も低いです。

ランサーズとかのクラウドソーシングをメインにしている方は、ぜひエージェントサービスも覗いてみてください。ビビりますよ。とりあえず登録だけでもしてみてはどうでしょうか。

営業できる人と組む

これは、全然アリだと思います。

会社でも営業から仕事が入る形態のことが多いので、それじゃ社員と変わらないじゃんと思うかもしれませんが、「無茶な営業から無理やり押し付けられる仕事」と、「自分の好きな営業と手を組んでお互い手を貸しあう」のとは全然違います。

それに、手を組む相手を自分で選ぶことができるのっていいですよね。エンジニアであれば、開発にかかる工数のことをちゃんと理解してくれている営業と組みたいと思うはずです。

がんばって営業する

先ほど「営業は苦手」だと言いましたが、この苦手を克服することで、フリーランスは一気に楽になると思います。フリーランスはひとり経営者なので、むしろ経営を営業なしでずっとやっていくというのは、現実的ではありませんよね。

ただ人から案件をもらうだけでなく、自分でも営業して仕事がとれれば好きな仕事ができます。

おそらく皆さんが苦手だと思う営業は、飛び込みとかテレアポとかのそういう突撃系、いわゆる「プッシュ型営業」と呼ばれるものではないでしょうか。そんなことしてたら精神が持たないですよね。

しかし、プッシュ型営業はもう古いやり方となっていて、今は「プル型営業」と呼ばれる受け身の営業方法が一般的になってきており、こっちであれば営業が苦手と思う人でも可能です。

プル型営業のキモとなるのは、ずばりマーケティングです。僕は、フリーランス・経営者をして生きていくにはこのマーケティングが必須スキルであるという結論に至りました。



Webサービスやアプリを作る


Webサービスやアプリを開発して収益を得る。フリーランスエンジニアとしては最高にロマンですね。

しかし、おそらく企業向けの大規模なものを作ろうとすると一人では難しいです。チーム組んで取り組む必要があるでしょう。一人でやるとするなら、個人でも作れる小規模なものをいかにマネタイズするか。基本はここがポイントなんじゃないかと思います。

また、Webサービスもブログと同じで、「作ればお金になる」という話ではありません。

まず、どんなサービスを作るのかアイデアを出す必要があります。そしてそのアイデアは需要があるのかを調べる必要があります。めっちゃええやん!!って自分が思うサービスを作っても、ユーザーが「お、おう」という感じなら売れません。趣味でやるならいいですが、ビジネスとしてやるなら時間の無駄です。

サービスを作ったあとは集客、宣伝を行う必要があります。ものすごくいいサービスでも、誰も知らなければ使ってもらえません。

サービス公開後は、メンテナンスや保守、管理、不具合の修正、サービスの改善、サポート等、運用に力を入れることになります。

ユーザーに使ってもらえるWebサービスを開発するには、魅力的なアイデアを出すスキルだけでなく、リーンスタートアップや、顧客開発など、経営について学ぶ必要があります。

更に、アイデアの作り方から収益に至るまでのすべてが書かれた究極の一冊を最近発見しましたので、紹介しておきます。

ハードルは高いですが、自分の作り出したサービスやアプリを使ってもらい、それで生きていくというのはとても気持ちいいことだと思います。

何かを作って売る

例えばWebデザイナーであれば、素材サイトでイラストやアイキャッチ画像を売ったり、WordPressのテーマを作ってTheme Forestで売ったりできます。

エンジニアであれば、WordPressの有料プラグインを作るのもいいですね。

あとは本を書いて販売している人もいます。

ただ、本はまだ買って読む人は結構いると思いますが、日本人の傾向として有料で配布されているデータはあまり使いたがらない傾向にあるように思えますよね…有料プラグインなんか、工数を大幅に削減できて圧倒的に便利だったりするものもあるんですが。。

ちなみに、「何か商品を開発して、ECサイトを自作して売る」というのもありです。ECサイトなんかは自作しなくても、BASEとか便利なプラットフォームはありますし、現代ではECサイトでの販売はかなりハードルが低いです。

Web制作をしているとマーケティングの知識もつきますので、自分で売り物を作り、自力でサイトを作り、自力でマーケティングをして売る、というのも楽しいです。

僕も、パートナーが作るハンドクラフトを販売するECサイトを一つ経営しており、そこからの収入もぼちぼちあります。これは、Welcartで作りました。

スキルをパッケージ化して売る

これは、「やることが決まっていることを、固定で値段をつけて作業する」ということです。

例えば、「WordPressテーマを使って、作成するページ数を決め、〇〇円で制作する」といった具合に。デザイナーだったら、「広告用バナーをセットで〇〇円で作ります」とかできますよね。最初に仕様をがっつり決めてしまえば、毎回ほぼ同じことしかしないわけなので、案件ごとにいろんな仕様とかスタイルを変えて受注するスタイルに比べぐっと楽になります。

受託って、だいたい毎回要望とか納期が違ったりして大変だと思うんですが、パッケージ化しておけばいろんな手間が省けるうえ、「どれだけやれば収入がどれだけあがる」というのがわかりやすく、安定すると思うんですよね。それに、やることが決まっているので、外注にも出しやすい。

おわり

フリーランスがフリーランスらしく、自由に仕事をして生きていくためには、技術以外にも学ぶことがたくさんあります。というより、将来を見据えた経営をはじめたら正直技術を磨いてる暇はほとんどないかもしれません。
この記事を書いている段階ではフリーランスを始めてまだ1年程度ですが、痛感していることは「受託だけでは割とすぐに限界が来る」ということですね…

もちろん、ある程度ストック型収益による土台があるというなら話は別ですが、まず一人で受託だけで稼ごうと思うと「フリーランスが一人で仕事ができる時間」なんて本当に限られてますので、いくら技術だけ高くても、ある一定のラインまでくると伸び悩みます。

フリーランスで稼ぎ続けるには、いかにして受託以外の仕事で安定した収益を得られるかが重要ということであります。

ではでは、良いフリーランス人生を!

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